01ピッチ・チップ・ランニング|3つの違い
初心者が最初に混同するのがこの3つ。覚え方はシンプルで、「弾道の高さ」と「キャリー(飛ぶ距離)とラン(転がり)の比率」で区別します。ひとことで言えば、チップは転がす、ピッチは上げて止めるです。
| 種類 | 弾道 | キャリー:ラン(目安) | 主に使うクラブ | 使う場面 |
|---|---|---|---|---|
| チップ (転がし) | 低い | 2〜4割:6〜8割 | 8I・9I・PW | グリーンエッジのすぐ近く・平らで転がせる |
| ランニング | 低い | 転がり主体 | 7I〜PW | 花道など障害物がなく転がせる場面(チップの距離が長い版) |
| ピッチ (上げる) | 高い | 8〜9割:1〜2割 | SW・AW(52〜58度) | バンカー・ラフ越え/下りで止めたい |
厳密な距離の線引きはなく諸説ありますが、「グリーンエッジまで数歩ならチップ、20ヤード以上やバンカー越えならピッチ」がざっくりした目安。まずはこの2択をはっきりさせるだけで、寄せの精度が変わります。アプローチ・パターの基本もあわせてどうぞ。
02【迷わない】状況別アプローチ選択チャート
コースで迷ったら、次の順番で考えると判断がブレません。「①障害物があるか → ②グリーンに転がせる余地があるか → ③止めたい傾斜か」の3ステップです。
| 状況 | 選ぶショット | 理由 |
|---|---|---|
| バンカー・池越え | ピッチ | 高く上げないと障害物を越えられない。低い球は厳禁。 |
| 深いラフから | ピッチ寄り | 芝の抵抗でクラブが減速。ロフトをつけて確実に脱出。無理は禁物。 |
| 花道・エッジ近く(平ら) | チップ | 距離感が出しやすく、ミスしてもグリーンに乗りやすい安全策。 |
| 下り傾斜・受けグリーン(止めたい) | ピッチ | 高さで止める。低い球だと転がりすぎてオーバーする。 |
| ベアグラウンド・薄いライ | チップ(転がし) | 高ロフトを薄い地面で使うと刃が入りやすい。低く転がす方が安全。 |
★ ぐーの感想:初心者の鉄則は「迷ったら転がし(チップ)」。実際、僕も100叩いた日に、無理にピッチで上げようとしてザックリ→池ポチャを何度もやりました。転がせる場面で上げようとしないだけで、大叩きはかなり減ります。
03チップ(転がし)の打ち方+番手別早見表
セットアップ(再現手順)
- スタンス:狭く。両足の間はクラブヘッド1個分程度。体を回しやすくなりミスが減る。
- ボール位置:スタンス中央〜やや右足寄り(右打ちの場合)。
- 体重配分:左足(前足)に6〜7割。最初から最後まで動かさない。
- 手の位置:手元はボールよりやや前(軽いハンドファースト/シャフト10度前傾程度)。
- スイング:手首をできるだけ固定し、肩と胸の回転で振る。「パターを少し大きくしたイメージ」。
- インパクト:ボールを上げようとせず、上から軽く打ち込む。高さはクラブのロフトに任せる。
番手別キャリー:ラン早見表(12の法則)
レッスンで広く使われる「12の法則」。「12 − 番手の数字 = ランの比率」で、落とし場所を計算する考え方です(平らなグリーンでの目安)。
| クラブ | キャリー:ラン(目安) |
|---|---|
| SW(約56度) | 1:1 |
| PW | 1:2 |
| 9番 | 1:3 |
| 8番 | 1:4 |
| 7番 | 1:5 |
例:エッジからピンまで合計12メートルを7番で転がす場合、「1:5」=6で割って約2メートル先に落とせば、残り10メートル転がってピンへ、という計算。あくまで出発点の目安なので、実際は練習グリーンで自分のボールの転がりを必ず確かめてください。
04ピッチ(上げて止める)の打ち方
※ピッチは「フルスイング」ではありません。100ヤード以内の小さめのスイングで、振り幅で距離を管理します。力いっぱい振ると初心者はミスを量産するので注意。
セットアップ(再現手順)
- スタンス:チップよりやや広め(ただし肩幅より狭い)。少しオープン(左足を引く)にすると振り抜きやすい。
- ボール位置:スタンス中央(チップより少し左寄り)。
- 体重配分:左足にやや多め(5.5〜6割)。チップほど極端には乗せない。
- 手首:チップと違い、適度に手首を使う(コックする)。ただし手で煽らない。
- クラブ:SW・AW(52〜58度)などロフトの大きいウェッジ。
- スイング:「時計の文字盤」で振り幅を管理。9時〜3時(腕が地面と水平)でフルの7割前後、7時半で半分程度。スピードは一定に。
- フィニッシュ:振り抜きを止めない。バックスイングとフォローを左右対称に。
★ すくい打ちNG:「高く上げよう」と手ですくうと、ダフリ・トップの原因に。高さはクラブのロフトが出してくれるので、ボールを上げにいかず、ハンドファーストのまま打ち抜くのが正解です。なおバンカーショットは別物なのでリンク先を参照。
05ダフリ・トップが直る|ミス別処方箋
アプローチのミスは原因がはっきりしています。症状から逆引きで直しましょう。
| 症状 | 主な原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| ダフリ (ザックリ) | 体重が右に残る/ボール位置が右すぎ/すくい上げ | 左足体重をキープし、手元を先行させて上から打ち込む |
| トップ (ホームラン) | 当てにいって頭が浮く(伸び上がり) | 高さはクラブに任せ、最後までボールを見る。左体重のまま振る |
| すくい打ち (フリップ) | 左手首がインパクトで折れて手を返す | 左手首をまっすぐ〜やや甲側に保ち、手元を先行させたまま打つ |
| シャンク | ボールに近すぎ/突っ込み/手元がインに引ける/力み | 少し離れて構える、力を抜く、体の回転で打つ |
共通するのは「ボールを上げにいかず、左足体重で上から打つ」こと。これだけでダフリ・トップの大半は減ります。
06距離感は「振り幅=ものさし」で作る
アプローチの距離は力加減ではなく振り幅で合わせるのが鉄則。スイングスピードは一定にして、バックスイングの大きさだけで距離を変えます。
100ヤード以内を25ヤード刻みで
いきなり細かく刻むのは難しいので、まずは「25・50・75・100ヤード」の4段階を、それぞれ決まった振り幅で打てるようにするのが目標。100切りロードマップでも、この距離の精度がスコアを左右すると解説しています。
自分の“ものさし”を記録する
「7時半でSWは何ヤード」「9時でAWは何ヤード」を練習場で計測してメモ。自分専用の距離表ができれば、コースで迷いません。
07自宅&練習場でできるドリル3選
1. タオルドリル(ダフリ・すくい打ち防止)
ボールの約5cm手前にタオルを置き、タオルに当てずに打つ。先にタオルへ当たればすくい打ちの証拠。自宅マットでも可。
2. 着地点ターゲットドリル(ランの計算)
練習グリーンでタオルやコインを「落とし場所」に置き、そこへ落として残りを転がす。12の法則を体で覚えられます。
3. 片足(左足)スタンスドリル
左足重心を体に覚えさせる練習。左足だけで小さく打つと、ダフリ・トップが激減します。
詳しい練習場の使い方は練習場の効率的な使い方も参考に。動画で見たい人はゴルフ系YouTuberおすすめのレッスン系チャンネルが役立ちます。
08よくある質問
Q1. アプローチでダフる(ザックリする)のはなぜ?
ボールを上げようとして右足体重・すくい打ちになるのが主な原因です。体重を左足に6〜7割かけたままにし、手元を先行させて上から打ち込むと、最下点が安定してダフりにくくなります。
Q2. ピッチとチップ、初心者はどちらを優先すべき?
まずはチップ(転がし)を優先しましょう。スイング幅が小さくミスの幅も小さいため、寄せワン率が高くなります。ピッチはバンカー越えなど障害物がある場面に限定して使うのが安全です。
Q3. アプローチのウェッジは何度を使えばいい?
初心者は52度(AW)と56度(SW)の2本があれば十分です。58度以上はミスが出やすく難易度が高いので、慣れてから検討しましょう。
Q4. ランニングアプローチは何番で打つ?
落としどころとピン位置で選びます。よく転がしたいなら8〜9番(キャリー:ラン=1:4〜1:3)、止め気味にしたいならPW〜AW(1:2〜1:1)が目安です。グリーンの速さや傾斜で変わるため、練習グリーンで確認を。
Q5. アプローチが上達する自宅練習は?
パターマットへ5ヤードのキャリーを反復したり、人工マットでソールを滑らせる感覚づくりが有効です。距離は「振り幅=ものさし」で固定し、毎回同じスピードで振るのがコツです。
★ まとめ:アプローチは「迷ったら転がし(チップ)」「障害物・下りはピッチ」のシンプルな2択から。左足体重で上から打つを守ればミスは激減し、12の法則で落とし場所を決めれば寄せワンが現実になります。100ヤード以内が安定すると、100切り・90切りはぐっと近づきます。あとはコースで実践あるのみ。